登場人物
- れんと:7歳の少年。キッズレースに参戦する主人公
- ベロヂス:伝説のレーサー「Tartaruga Sônica」の本名
- ルース:最速のチャンピオン。ベロヂスに敗れ後に引退
- トラベッソーラ:過去の大物スポンサー
第6話「最初のレース」
数日後、れんとは町で開催される初めてのキッズレースに出場することになった。
れんと「ベロヂスさん……今日は、見に来てくれますか?」
ベロヂス「……好きにしろ。ただし、転んでも泣くなよ」
その言葉に、れんとは笑顔でうなずいた。
会場には緊張感が漂っていた。れんとはゼッケン7をつけてスタートラインに並ぶ。エンジンの音、観客のざわめき、そして自分の心臓の鼓動だけが耳に残る。
レース開始の合図が鳴り響いた。
れんとはスタートダッシュに成功し、最初のコーナーを無事にクリアした。しかし中盤、バランスを崩してコースアウトしかける。
れんと(やばい……でも、落ち着いて……体重を……!)
ベロヂスの言葉が脳裏に浮かび、れんとは見事に立て直した。
その姿を、会場の後方からそっと見守る男の姿があった。
ベロヂス(なるほど……こいつ、センスは悪くない)
結果は3位。れんとは初めての表彰台に立ち、観客から拍手を浴びる。
れんと「ベロヂスさん、ありがとう……! 僕、もっと強くなりたいです!」
翌日、練習場に現れたベロヂスは、静かに言った。
ベロヂス「教えてやる。ただし、覚悟しろよ。俺は甘くない」
れんと「はいっ!」
少年と伝説のレーサー。新たな関係が、今、始まった。
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