登場人物
- れんと:7歳の少年。キッズレースに参戦する主人公
- ベロヂス:伝説のレーサー「Tartaruga Sônica」の本名
- ルース:最速のチャンピオン。ベロヂスに敗れ後に引退
- トラベッソーラ:過去の大物スポンサー
第9話「決戦の幕開け」
大会当日。会場には過去の伝説を知る者、新たな才能を見届けたい者、様々な思惑を抱えた観客たちが集まっていた。
れんとはピットでヘルメットを手に取り、ベロヂスと最後の確認をしていた。
ベロヂス「相手は強い。だが、お前は俺が育てたレーサーだ。自分を信じろ」
れんと「……うん。負けないよ、絶対に!」
観客席の一角に、トラベッソーラの姿があった。彼の隣には、カメラマンやレポーターたち。
トラベッソーラ「面白くなってきた。さて、今度は本物の伝説が生まれるかな?」
スタートラインに並ぶれんと。緊張した面持ちで、しかし目は燃えていた。
合図とともにエンジン音が轟く。れんとは勢いよく飛び出し、激しい競り合いの中で抜きつ抜かれつを繰り返す。
観客の声援が響き渡る中、ベロヂスの声だけがれんとの耳に残っていた。
ベロヂス(焦るな……タイミングを見極めろ)
最終ラップ、れんとは巧みにインを突き、一気に前へ出る。
ゴールラインを駆け抜けた瞬間、場内がどよめいた。
結果は──優勝。
観客が総立ちになり拍手を送る中、れんとはピットに戻る。
れんと「勝った……僕、本当に勝ったんだ……!」
ベロヂス「よくやった。お前の勝利だ、れんと」
その瞬間、ベロヂスの中に眠っていた炎が再び灯った。
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