Tartaruga Sônica história – 第8話「招かれざる影」

登場人物

  • れんと:7歳の少年。キッズレースに参戦する主人公
  • ベロヂス:伝説のレーサー「Tartaruga Sônica」の本名
  • ルース:最速のチャンピオン。ベロヂスに敗れ後に引退
  • トラベッソーラ:過去の大物スポンサー

第8話「招かれざる影」

 ある日、練習場の入口に黒い車が停まった。

 スーツ姿の男が降りてくると、れんとの練習を見つめながら言った。

???「やはり、間違いない。あれは……ベロヂスだな」

 その男の名前はトラベッソーラ。かつてルースのスポンサーであり、伝説のレースを仕掛けた張本人だった。

 数日後、ベロヂスがれんとに声をかける。

ベロヂス「れんと……お前の走りが注目されてきた。嫌な連中が近づくかもしれん」

れんと「嫌な連中……?」

ベロヂス「あのレースを金に変えようとした奴らだ。もう15年も前の話なのに、まだ俺を利用しようとする」

 その晩、ベロヂスの家に一本の電話が入った。

トラベッソーラ「久しぶりだな、ベロヂス。相変わらず隠れているようだが……その少年、なかなか面白い素材だな」

ベロヂス「お前に関わることは何一つない。れんとには指一本触れさせない」

トラベッソーラ「フフ……ならば、こちらも考えがある。あの“大会”に出場させる気はないか?」

ベロヂス「……まさか、あの大会を復活させたのか?」

トラベッソーラ「最高の舞台が整ったら、伝説もまた蘇る……だろう?」

 電話は一方的に切られた。

 翌日、ベロヂスはれんとに向き合って言った。

ベロヂス「……出るぞ。大会に」

れんと「はいっ!」

 その決意の裏に、静かに蠢く影があった。

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