登場人物
- れんと:7歳の少年。キッズレースに参戦する主人公
- ベロヂス:伝説のレーサー「Tartaruga Sônica」の本名
- ルース:最速のチャンピオン。ベロヂスに敗れ後に引退
- トラベッソーラ:過去の大物スポンサー
第3話「男の正体」
次の日も、れんとは練習場に向かった。誰かが見ていてくれるかもしれない——そう思うだけで、胸が高鳴った。
そして、その人影はまた現れた。丘の上から静かにれんとの動きを見つめている。
れんと「昨日よりスピード上がってるよね?……ねえ、見てくれてるんでしょ?」
???「……ラインは悪くない。だが、無駄が多すぎる」
れんと「やっぱり来てくれてたんだ!ありがとう!」
???「礼は要らん。俺はただ、見てるだけだ」
れんとはバイクを止め、少し息を整えてから思い切って言った。
れんと「名前、教えてくれませんか?僕、あなたのこともっと知りたい」
男は一瞬、言葉を詰まらせたようだった。だが、沈黙の後、遠くから女性の声が響く。
女性の声「ベロヂスー、ごはんできたわよー!」
その瞬間、れんとの脳内に衝撃が走った。
れんと「ベロヂス……!? Tartaruga Sônica……伝説のレーサー……」
名乗られたわけではない。だが、その名前を聞いた瞬間、れんとの中の点が線になったのだった。
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